皆さんは「本を聞く」オーディオブックをご存じですか?
海外では当たり前の文化のようですが、日本でもAmazonの「audible」やオトバンクの「audiobook.jp」などで利用者も増えています。
オーディオブックについて調べてみたところ、メリットだらけであることがわかったのでご紹介します。
この記事を読むと、今すぐオーディオブックを試してみたくなるはずです!
参考図書
この記事は『超効率耳勉強法』(上田渉著)を参考にしました。著者である上田渉さんは「audiobook.jp」を運営されている方です。著者も「耳勉強」によって偏差値30から東大に合格をしたすごい方です。この本では上田さんが実感した耳読書のメリットを脳科学も交えて説明されています。
「耳読書」とは?
『超効率耳勉強法』には耳を使ったさまざまな勉強法が紹介されていますが、中心になるのは本を聴く「耳読書」です。
勉強をするときには、本を使ったインプットが必要になります。本が苦手な人などは、本を読めない事で勉強にも苦手意識をもっていることもあるでしょう。それを解決できるのが「耳読書」です。
「耳読書」のやり方はオーディオブックを聴くだけとシンプルです。勉強の目的によってアレンジすることもありますが、基本は聴くことです。
音楽やラジオを聴くのと同じ感覚で読書ができます!
読書といえば本(最近は電子書籍も増えましたが)を手に持って、目を使って読むというのが当たり前のスタイルでした。
しかし、「耳読書」は耳さえ空いていれば手も目も使わずにでき、そこから多くのメリットも生まれています。
「耳読書」の6つのメリット
- 勉強が効率的にできる
- 疲れにくく、繰り返しやすいため内容を記憶できる
- 読書時間が増える
- 読書をしながら深く考えることができる
- 想像力がアップする
- 認知症予防にもなる
勉強が効率的にできる
人間の認識は視覚からが83%、聴覚からが11%といわれています。
そういうと聴覚を使う耳読書は不利に感じますが、勉強が「言葉」を扱うものである限りは聴覚を使う方が効率的なのです。
どういうこと?
その理由は読書の際の脳の働きに着目するとわかりやすくなります。
脳科学的にみた読書
読書をするときの脳の働きは次のようになっています。
- 文字を目で読む
- 脳内の視覚野で文字情報が認識される
- 脳内の聴覚野で文字情報が音声に変換される(頭の中で音読している=専門用語で「音韻表象」というそう)
- 脳内の言語野で音声が言語情報として処理される
以上の4つの順番で本の内容が理解されているのです。
それで、なぜ勉強が効率的にできるようになるのかというと、「耳読書」は既に音になっているからです。普通の読書だと手順3で目で見た文字を脳内で音に変換しています。
脳は音にして初めて言葉を認識できるようになっているのです。「耳読書」ではその手間がかからない分、一気に手順4まで飛ばすことができて効率がいいのです。
本を理解するためにやらないといけないことが減るってことですね。
疲れにくく、繰り返しやすいため内容を記憶できる
これも上で述べた脳の働きに関連するのですが、読書の手順が少なくなることで脳への負担も軽くなり、疲れにくくなります。
また、特に普段からスマホやパソコンなどで目を酷使している方にとっては、単純に目を使わないということも目を休める時間になり、疲れにくいです。
さらに、普通の読書だと一度読んだ本を何度も読むことは面倒であまりやりませんが、「耳読書」だと簡単にできます。聴くだけだと圧倒的に楽だからです。
一度読んだ(聴いた)本を繰り返し読む(聴く)ことは記憶の定着にも効果的です。
知識を身に付けたい方や、本の内容を活かしたい方にはぴったりです。
難しめの本も繰り返し聴くうちに少しずつ理解も深まります。
記憶の定着を重視したい方は、少し面倒にはなりますが、聴きながらその本の文字も追う、聴きながらメモを取るという作業をするとさらに効果が上がります。複数の感覚(視覚や触覚)を使用することで、記憶に定着しやすくなるのです。
読書時間が増える
「耳読書」をすると間違いなく読書時間が増えます。
audiobook.jpを運営しているオトバンクの調査(2021年)によると、オーディオブックを使い始めた人のうち4割が「本に触れる機会が増えた」と回答しています。また、読書時間も1.7倍増加したとの回答が得られたとのことです。
耳が空いていれば読書ができるので、これまでは読書の時間にはなり得なかった家事の時間や車の運転中、運動中なども読書ができます。何かをしているようでも、耳が空いている時間というのは想像以上になるのです。
筆者の実体験では、「耳読書」で1ヶ月に14冊を読むことができました。そのうちの数冊は繰り返し読んで(聴いて)います。家事や歩いている時間などのこれまでは読書ができなかった時間に読書ができたので、生活を全く変えることなく読書量が増えたので、このメリットは想像以上でした。
忙しい人にこそピッタリです!
もちろん、「耳読書」でない通常の読書もこれまで通りに行っているので、読書量が14冊上乗せされたことになります。
また、疲れていて紙の本では読む気力がない時でも聴くだけなら負担にならずにできるので無理なく読書時間を増やせます。
さらに短時間でたくさん読みたい(聴きたい)時は倍速で聴くこともできます。速読などが流行っていますが、耳で倍速で聴くことは目を鍛えて速読するのに比べるととても簡単です。
人間の耳はとても柔軟にできていて、早口の人や変わったしゃべり方をする人の話でもきちんと理解できるようになっています。オーディオブックも2倍速であればすぐに慣れて聞き取れるようになります。3倍速でも5~10分も聞いていれば聞き取れます。
読書をしながら深く考えることができる
上田さんの著書では「耳読書」なら「本との対話」ができると書かれています。
普通の読書に比べると本を読みながら(聴きながら)深い思考がしやすくなり、深い読書が可能になるとのことです。
「耳読書」では目を使わない分、余裕ができるため、本の内容に思いを巡らせやすくなるのでしょう。本を聴きながら「どういうことだろう」と自分なりの意見をまとめたり、「この仕事に使えそうだ」と新たなアイデアが浮かんだりと、より充実した読書ができるようになります。
オーディオブックを一時停止すれば、ゆっくり考える時間もとることができますよ。
想像力がアップする
オーディオブックはプロの声優や俳優などが読んでくれるため、特に小説などの文芸作品では、情景を想像しながら物語世界に入り込めます。音だけのドラマのような感じです。
やはり、読んでくれるのがプロだけあって登場人物の演じ分けも素晴らしく、紙の本よりも想像がしやすく、楽しみも倍増します。
特に筆者も利用しているaudibleの場合、映画の原作本だと、それぞれの登場人物の声優さんが読んでくれるものもあり、映画を観た人なら場面を想像しながら楽しめるものもあります。
たとえば、「天気の子」だと映画のままの声優さんが朗読してくれ、特典メッセージまでついています。最高ですよね。
『小説 天気の子』著者:新海誠
朗読:醍醐虎汰朗(森嶋帆高・他男性キャラクター)
森七菜(天野陽菜・他女性キャラクター)
◎巻末に2人のオーディオブック限定の特典メッセージ付き
audibleの読み放題対象になっています。(2023年9月現在)
無料体験でも聴けるのでよければどうぞ。
認知症予防にもなる
「耳読書」は認知症の予防にもなります。
高齢になると本が好きな人でも視力低下や老眼などの理由から本が読めなくなる人も多いでしょう。
そういう人も「耳読書」であれば読書ができ、楽しいだけでなく脳が刺激されて脳血流もアップするため、脳に良い影響があるそうです。
幅広い年代にオーディオブックが浸透するといいですね。
「耳読書」を始めるには?audibleの無料体験がおすすめ
「耳読書」を始めるにはオーディオブックのサービスを利用します。
『超効率耳勉強法』の著者である上田渉さんが運営している「audiobook.jp」と、Amazonの「audible」が代表的なものです。どちらも定額読み放題のサービスがあります。
聴き放題プランを例に簡単に特徴をまとめると
・audiobook.jp
月額:1330円(年割価格の場合は月額833円)
聴き放題対象本:1万5千冊
・audible
月額:1500円
聴き放題対象本:12万冊以上
安く済ませたいならaudiobook.jp、豊富なコンテンツから選びたいならaudibleという感じですね。
どちらも無料体験期間が設けられているのでまずは試してみるのがいいでしょう。
筆者は対象の本の多さを重視してaudibleを利用しています。
無料体験がおすすめです。
筆者の体験談をまとめているので、こちらもどうぞ。
まとめ:「耳読書」はメリットしかなかった
筆者はaudibleで耳読書を初めて1ヶ月ほどですが、本当にメリットしかありません。一番実感しているのは読書時間が増えたことです。他のメリットも徐々に実感できればと思います。唯一のデメリットは月額1500円かかることですが、これだけメリットがあるのだからそれでも安いともいえるかもしれません。
この記事では『超効率耳勉強法』を参考に耳読書のメリットをご紹介しましたが、メリットに1つでも気になるものがある人は無料体験を試すことをおすすめします。
筆者もオーディオブックに関して食わず嫌いな感じでなんとなく避けていましたが、実際に使ってみると「もっと早くから使えばよかった」と後悔しています。読書で人生をよりよくしたい人はぜひ試してみてください。